【2020五島・福江島】キャスティングトップゲームで 10キロオーバーヒラマサ初キャッチ

 

ヒラマサ11kg©tsuritabel

2020年秋。ダイビングペンシルキャスティングヒラマサトップゲームで初の10キロオーバーをキャッチした釣行をレポートしたい。

 

■10キロオーバーのヒラマサを求めて

筆者と釣友の寺さんの毎年恒例の五島遠征は2020年に5年目を迎えた。

5年前はとにかくヒラマサを釣りたいという初々しい1年生だったが、いつのまにか5年生。

目標は10キロオーバーキャッチに変わったが、まだ二人ともキャッチできていない。

これまで二人の最大サイズは筆者がジギングでキャッチした7キロだ。

最も10キロに近づいたのは寺さんがキャスティングでヒットさせ船べり近くまで寄せた後バラシてしまったときだ。あれは控えめに見ても10キロ以上あった。

 

■ゴー・トゥー・ゴトー

新型コロナ感染拡大による緊急事態宣言が発出された2020年春。

ずっと前から予約していた五島遠征釣行の予定を泣く泣くキャンセルした。

満を持して同年秋。

政府主導のGo toトラベルキャンペーンを利用して秋マサ狙いで五島・福江島に上陸。

2日間恵美寿丸をチャーターしキャスティングとジギングでヒラマサを狙った。

 

■初日の序盤は苦戦

初日。

序盤のキャスティングは不発。

とはいえ、筆者も寺さんも正直いうとキャスティングスキルが高いとはいえない。

キャストはだいぶ遠投できるようになってきたが、リーリングがサマになってない。

お手本とする船長のルアーの動きとはだいぶかけ離れており、そのせいもありバイトが少ない。

それでも「持っている男」寺さんは意外とバイトがあるのだが今回は乗らない。

 

■ジギングでお土産確保

その後、ジギングにシフトしてみるとまずまずの連続ヒットで2-3キロクラスのヒラマサを56本キャッチ。

電動ジギングの寺さんはなぜか食べて美味しいスマばかり立て続けに3連続キャッチ。

巻き上げ速度とジャークパターンがスマにマッチしたようだ。


ジギングでお土産確保©tsuritabel


■筆者に異変


お土産キープにめどが立ち、ここからは大マサ狙いに切り替えようとしてまもなく、急激な疲労感に襲われ筆者はキャビンに入り横になった。

あまり自覚はなかったが筆者恒例の船酔いにも襲われていたのかもしれません。

筆者はキャビンに横になりながら体力回復をはかりワンチャンゆうまずめでの参戦を期していた。

ところが、数時間経過し、仮眠する筆者をよそに、船長と寺さんのあいだで午後3時ごろ沖上がりしようかという密談が耳に入った。

もうそろそろ帰ろうかという雰囲気になっているではないか。

このままではゆうまずめの前にゲームセットになってしまう。

まずいと思った筆者、ムクッと起きてキャビンから出てキャスティング参戦。

船長と寺さんは蘇った死者でも見るかのように驚く。

筆者と入れ替わるように今度は寺さんがキャビンで横になり休憩。すぐに熟睡。

■ついに10キロオーバーの大マサキャッチ

筆者、キャスティング再開し数投目にキャストした方向と別の方向にナブラが立つ。

ナブラに向けてキャストしなおそうと急いで早巻きでルアー回収。

ナチュラルノンストップジャーク。

その瞬間、大マサが突然水面を割ってルアーにバイトし予定外のゴングが鳴る。

ファイト開始。

筆者に強烈なヒット©tsuritabel


これまで経験したことのない強烈な引きに必死に耐えて食い下がる筆者。

ジー!

音を立ててPE6号のラインが引き出される。

筆者がヒラマサを釣っているのではなく、筆者がヒラマサに釣られているような感覚。

「水深あるんでゆっくりやってください」と船長。

中乗りの川さんが後ろから筆者のベルト付近を押さえてくれる。

ヒラマサはラインを出しながら潮上から潮下の船の下に向かって潜っていく。

ヒットした右舷から「左舷に回れますかー」と船長。

パニック。

強い引きに耐えるだけでも必死なのに、反対側に回り込むのか。

バーブレスフックということもありバレないようにテンションが緩まないように気が抜けない。

川さんに背中を押さえられながら、ヨチヨチ歩きの赤ん坊のように不安定な足取りで船首側のステップをゆっくり通って左舷側になんとか回り込む。

通常は操船によるサポートをしないことをモットーにしている船長も、筆者の技量も推し量りつつ、さすがになんとか獲らせてやりたいと思ったのであろう。少し操船でサポート。

ようやく船長のタモに大きなヒラマサが納まると同時に、筆者は尻もちをつくようにしゃがみこんでしまった。

やった。

ついにやった。

北島康介よりもチョー気持ちいい!

あしかけ5年。

ようやく10キロオーバーの大マサをキャッチした。

 

©tsuritabel



船長も中乗りの川さんも一緒に喜んでくれた。

もっと大きなヒラマサのキャッチシーンを何度も見ているであろう二人が一緒に喜んでくれるのは非常に嬉しかった。

北島康介よりもなんもいえねー。

 

寺さんにも見せたかったが、キャビンの中であいにくの熟睡。

こんだけ騒いでても起きんのかい!

 

大マサは記念撮影だけ取って、船長が循環ホースで蘇生させたあと筆者が抱えてリリースし、豊潤な五島の海に元気に帰っていった。

そのため、寺さんは大マサの魚体を見ることもなく、10キロオーバーキャッチの騒ぎも知る由もなし。

このあと船は帰途につき、道中筆者もキャビンで仮眠をとった。

 

港に着いた筆者は顛末を何も知らない寺さんにいたずら心で嘘をついてみた。

「寺さん、いま僕ね船で寝てて11キロのヒラマサ釣った夢見たんですよ」

「あ、そう?」

何も知らない寺さんは気のない返事。

真実を知っている船長と川さんは大笑いだった。

寺さんは真相を知るまでしばらくキョトン顔のままだった。